ミッドライン・オプション

"Run the midline complimented by the openside veer and tightside load option no one will beat you. " Jerry Campbell

「ミッドライン・オプションをオープン側のヴィアー・オプションとタイトエンド側ロードオプションと組み合わせて使えば、誰にも負けない。」

おととし、テキサス州のどこかでコーチしていたジェリー・キャンベル氏とのメールで上のようなコメントを幾度となく繰り返しもらった。オプションの質問など一度もしていないのにひたすら「ミッドライン・オプション」なのである。肝心な質問にはほとんど答えてもらえずじまいだが、結構気になったので本を買って読んでみた。

読んだころには私は船から降り立って休養期に入っていた。つまりチームを辞め、試そうにも実験しようにもチームもそのオフェンスもない。だから理論だけになる。

これを読んだ方々でもって実践して頂きたし。

 

 

ミッドライン・オプションの意図はインサイドラインバッカーやディフェンスラインマンを中央に釘付けにしながら外へピッチして展開することに意図が見られる。

ミッドライン・オプションの位置付け:

フルバックのランプレイが強烈な印象与えていることがまず必要になる。フルバックの技術とラインのブロックが正しければこのプレイは通る。

 

ロード・オプションとミッドラインとの関係とはなにか:
(フルバックがリードブロッカーになり、QBがオープンでピッチするいわゆるリード・オプション):

ミッドライン・オプションの効果が次第に消えていく時に真中のダイブオプションをせずにクォーターバックがそのまま持って走り、外でピッチする。ではミッドラインオプションの効果がなくなる時とは。それはディフェンスがダイブを選択させるようなアサインメントを組み始め、ラインバッカーが執拗に真中へ圧力かける時である。
そういう時にはクォーターバックがボールそのまま持って走り、真中に集中していたラインバッカーらに横へ追跡させる。

 

ヴィアー・オプションとミッドラインとの関係とはなにか:
(フルバックがオフガードでダイブオプションを行う。Iフォーメーションから)

ミッドラインやロードオプションの展開はタイトエンド側に片寄る。ディフェンスがタイトエンド側に集中し始めたときに、ウィーク側を狙ってヴィアー・オプションを展開する。

 

「ミッドライン・オプションをオープン側のヴィアー・オプションとタイトエンド側ロードオプションと組み合わせて使えば、誰にも負けない。」

以上、これがどれだけ説得力あるかはわからない。しかし3種類かそれ以上のオプションに対応しなければならないディフェンスが大変であることは確かだろう。 ディフェンスはまず:

  • ディフェンスがオプション用アサインメントに取り組まなければならない。1つや2つならともかく、3種類のオプションに対応しなければならないとそれだけ大変になる。
  • パスカバーもオプション阻止できる配備にしなければならない。だからパスカバーの種類も限られる。 それを突いたパス展開へ持っていくことができる。
  • ディフェンスがプレイ前にオプションを察知しても3種類あればどれ展開してくるか分からない。ブリッツやスタントなどを思いとどまるようになり、オプション阻止のアサインメントに従事する

 

ではここでミッドラインオプションを展開する。

狙いは2か3テクニック(ガードの正面か外ショルダー)のディフェンスラインマン、これが最初のダイブキーになる。プレイ展開は主に4-3、4-4になる。5-2でもミッドラインを展開できるが、最初のダイブ・オプションの選択はない。あくまで2か3テクニックがいる場合の展開である。

 

 

対4-3プロ

ディフェンスがDTとDEを並べる。するとクォーターバックはダイブ・オプションの後、オープンへそのまま向かうことになる。DTとDE間を切り抜けることはできない。

クォーターバック
センターラインから最初のディフェンスラインマンの動きを読む。できるだけ後ろでフルバックと会う(スクリメージラインから1.5ヤードほど、これでチャージからまぬがれる)。上の図では「T」 の動きを読み、Tのジャージ番号が見えたらフルバックからボールを抜く。ジャージ番号が見えなかったらボールをフルバックに渡す

スナップからフルバックのハンドオフまでの展開はここ →ハンドオフ

ピッチのキーは「B」のラインバッカー、しかしフォーメーションやアサインメントによってピッチのキーとクォーターバックの走るコースが違ってくる。

フルバック
スナップ前にディフェンスのフォーメーションと傾向をあらかじめ読み、どこへデイライトするかを想定する。オフェンスの中心線をまっすぐ進み、ハンドオフ受けるかボール抜かれるかのオプションが行われる。

テイルバック
クォーターバックとの位置関係はいつも1ヤード外側に4ヤード後ろ、いつでもピッチを受ける体制にあること。

 

オフェンスラインマンとタイトエンドのブロック

プレイ側ガード ダイブのキーとなるディフェンスラインマンをできるだけ避けてラインバッカーのブロックへ向かう。
プレイ側タックル
  1. タイトエンドがSSをブロックする場合 − ピッチのキーとなるディフェンス選手の内側をブロックする。
  2. タイトエンドが端のDEないしOLBをブロックしている − その内側のディフェンス選手をブロックする。
タイトエンド タイトエンドはピッチキーにならない方のディフェンス選手をブロックする。
センター 正面からバック側1人目のディフェンス選手をブロックする。
バック側ガード 正面からバック側1人目のディフェンス選手をブロックする。
バック側タックル バック側3人目(センター位置から数えて)をブロックする。

ディフェンスがどのようなフォーメーションであれ、ブロックの原則は全てこれを基本にしている。クロスやフォールドブロック等、アサインメント変更はあり得る。

これはタイトエンドが正面のラインバッカーをブロックし、ピッチのキーがSSになっている。

 

 

対4-3 カレッジ

ブロックのアサインメントは基本的に変わらない。だがクォーターバックがオープンではなく、オフェンスタックルのいる付近から突入していく。そしてピッチのキーはSSである。

ただしクォーターバックの突入する穴はタイトエンドのブロック次第で決まる。うまくディフェンス・エンドを外へ押し出すことができればタイトエンドの内側を上がる。もし何らかの形でディフェンス・エンドが内側へ入ってきたらその外をまわる。

下の図のようにタックルとタイトエンドのクロスブロックでディフェンスエンドを外へキックアウトすることもできる。

 

 

対4-4

原本の資料ではオープン側両方がインバートしている(フラットエリアへ上がってきている)4-4体形をベースにミッドライン・オプションを紹介している。ミッドライン・オプションが最も展開しやすいディフェンスではないだろうかと思う。

プレイ側ガードとタックルがディフェンスラインマンをブロックすることはない。両者ともラインバッカーをブロックに向かい、できたらセーフティをブロックする。もしDEがタイトエンドの内側につけば、そこはダブルチームからのコンボブロックが考えられる。

タックルとタイトエンドのクロスブロックではディフェンスエンドを外へキックアウトできる。

 

対5-2

本来の2、3テクニックのディフェンスラインマンをキーにする主旨からは外れる。なぜならフルバックへダイブするキーが存在しないからである。ここはクォーターバックの判断にゆだねられるが、実質ダイブフェイクのダブルオプションになる。

この場合Tをピッチのキーにしている。このTが2か3テクニックまでずれてくれば真中のダイブオプションも成り立つ。5-2ではヴィアーオプションの方をむしろ推奨している。